› イサーンで胃酸過多の日々 › 2012年04月
2012年04月02日
会社人間
長身痩躯。
整った顔立ち。
歳は幾つぐらいだろうか。
案外若いのかもしれないし、
案外歳をとっているのかもしれない。
恐らく40歳台。
ボサボサの髪を後で纏め、
化粧っけはなく、
ダサい服をだらしなく着て、
とぼとぼと歩く。
漫画に出てくる学者みたい。
もし、流行のファッションで身を包み、
化粧を施し、
凛と歩けば、
モデルのようになるに違いない。
今週からいきなり女性の上司が着任した。
プロジェクト ディレクターという肩書き。
下には、
日本人の本部長。
工事部長。
技術部長。
そして、勿論わしも。
つまり、経理や総務を除く、
商売の実質の責任者。
今まで、
現場で汗水流し、
お金を稼いできた男たちを、
軽く飛び越え、
頭の上に舞い降りる。
どこかで博士を取得しているらしいので、
勉強は出来るのだろうが、
どこまで仕事が出来るのだろうか。
主なお客様である日本人のこともどこまで分かっているのか。
今はどうだかしらないが、
ウブな若者を教育し、
忠誠心を植えつけ、
会社人間に育てる日本企業では、
机上の勉強だけで、
実践を知らない博士様は、
研究部門を除けば、
敬遠していたのではなかろうか。
恐らく、学歴があるというだけで、
いきなり実行部隊の長になることはない。
タイの社会は役割分担がはっきりしている。
エンジニアとして着任すれば、
下働きをすることはない。
フォアマンとして入社すれば、
エンジニアになることもない。
そして、仕事が嫌になれば、
他に良い仕事があれば、
さっさと辞めて行く。
会社に依存して生きる人は少ない。
だから、会社は社員の教育をしようとは思わないし、
経験が豊かで優秀な人材も少ない。
わしが入社してから、
何人の人が入社し辞めていっただろう。
わしが知っているだけでも、
両手は下らない。
一日や二日で辞めていく人も珍しくない。
わしが入社したとき、
歓迎ムードはなく、
余りにあっけらかんとしていたのは、
日本人が嫌われているのではなく、
人の入れ替わりが日常茶飯事だったからだ。
今でも、
朝の挨拶をする人は少ない。
仕事が終われば、
さっさと帰って行く。
極稀に社長からビールの差し入れが入るぐらいで、
夜の付き合いも無い。
ただ、仕事は真面目(勿論例外も)。
事務所の人は、
もくもくとパソコンに向かっている。
サービス残業も珍しくない。
これは、意外。
「大学出は仕事ができない奴が多い。叩き上げで頑張っている奴の方が仕事ができる」
先日、そう言って、
部下を叱ったら逆ギレされた、
熱血漢の日本人技術者は、
ホントに嫌気が指したのか、
肩の荷が降りたのか、
清々した表情で辞めていった。
タイはタイの社会がある。
日本の社会を持ち込むのが、
正しいとは思わない。
しかし、この会社は顧客が主に日系企業。
日本人の価値観に対応しなければ、
仕事はない。
信用を得ることは出来ない。
わしが、タイ人のことを理解できないように、
ここのタイ人が、
日本人の本質を理解することは不可能に近いと思う。
ここで働く限り、
わしは会社と日本人顧客に挟まれ、
苦労する日に終わりはない。
タイ人のように、
自分さえ楽しければそれで良いという、
解脱にも似た境地に達すれば、
苦悩もなくなるのかもしれないが。。。。
まあ、働きたくとも、
会社からクビを言い渡される可能性は五分五分。
その時は、
送別会は勿論、
誰も気にかけてくれる人はいないだろう。
それはそれで、
潔い。
整った顔立ち。
歳は幾つぐらいだろうか。
案外若いのかもしれないし、
案外歳をとっているのかもしれない。
恐らく40歳台。
ボサボサの髪を後で纏め、
化粧っけはなく、
ダサい服をだらしなく着て、
とぼとぼと歩く。
漫画に出てくる学者みたい。
もし、流行のファッションで身を包み、
化粧を施し、
凛と歩けば、
モデルのようになるに違いない。
今週からいきなり女性の上司が着任した。
プロジェクト ディレクターという肩書き。
下には、
日本人の本部長。
工事部長。
技術部長。
そして、勿論わしも。
つまり、経理や総務を除く、
商売の実質の責任者。
今まで、
現場で汗水流し、
お金を稼いできた男たちを、
軽く飛び越え、
頭の上に舞い降りる。
どこかで博士を取得しているらしいので、
勉強は出来るのだろうが、
どこまで仕事が出来るのだろうか。
主なお客様である日本人のこともどこまで分かっているのか。
今はどうだかしらないが、
ウブな若者を教育し、
忠誠心を植えつけ、
会社人間に育てる日本企業では、
机上の勉強だけで、
実践を知らない博士様は、
研究部門を除けば、
敬遠していたのではなかろうか。
恐らく、学歴があるというだけで、
いきなり実行部隊の長になることはない。
タイの社会は役割分担がはっきりしている。
エンジニアとして着任すれば、
下働きをすることはない。
フォアマンとして入社すれば、
エンジニアになることもない。
そして、仕事が嫌になれば、
他に良い仕事があれば、
さっさと辞めて行く。
会社に依存して生きる人は少ない。
だから、会社は社員の教育をしようとは思わないし、
経験が豊かで優秀な人材も少ない。
わしが入社してから、
何人の人が入社し辞めていっただろう。
わしが知っているだけでも、
両手は下らない。
一日や二日で辞めていく人も珍しくない。
わしが入社したとき、
歓迎ムードはなく、
余りにあっけらかんとしていたのは、
日本人が嫌われているのではなく、
人の入れ替わりが日常茶飯事だったからだ。
今でも、
朝の挨拶をする人は少ない。
仕事が終われば、
さっさと帰って行く。
極稀に社長からビールの差し入れが入るぐらいで、
夜の付き合いも無い。
ただ、仕事は真面目(勿論例外も)。
事務所の人は、
もくもくとパソコンに向かっている。
サービス残業も珍しくない。
これは、意外。
「大学出は仕事ができない奴が多い。叩き上げで頑張っている奴の方が仕事ができる」
先日、そう言って、
部下を叱ったら逆ギレされた、
熱血漢の日本人技術者は、
ホントに嫌気が指したのか、
肩の荷が降りたのか、
清々した表情で辞めていった。
タイはタイの社会がある。
日本の社会を持ち込むのが、
正しいとは思わない。
しかし、この会社は顧客が主に日系企業。
日本人の価値観に対応しなければ、
仕事はない。
信用を得ることは出来ない。
わしが、タイ人のことを理解できないように、
ここのタイ人が、
日本人の本質を理解することは不可能に近いと思う。
ここで働く限り、
わしは会社と日本人顧客に挟まれ、
苦労する日に終わりはない。
タイ人のように、
自分さえ楽しければそれで良いという、
解脱にも似た境地に達すれば、
苦悩もなくなるのかもしれないが。。。。
まあ、働きたくとも、
会社からクビを言い渡される可能性は五分五分。
その時は、
送別会は勿論、
誰も気にかけてくれる人はいないだろう。
それはそれで、
潔い。